先日、話題のPayPay(ペイペイ)の基本特許を見つけました。(過去記事参照

 非常にシンプルでかつ、実用的な請求項で構成されています。知財業界に係るものとして、このような請求項の構成は見習いたいところです。

 さて、日本ではいよいよQRコードによる決済が本格普及する時期に差し掛かっています。ソフトバンク系列以外にも、LINEもQRコード決済であるLINE Pay(ラインペイ)もサービスを開始しています。

 しかし、PayPayの基本特許がある限りQRコード決済でも同じ仕様のものは採用できません。そこで、LINE Payの仕様とPayPay特許のクレームを簡易的に比較してみました。

 着目するのは、PayPay特許の権利範囲であるスマホ側から店に設置されたQRコードを読み取り決済をする決済方式についてです。

 LINE Payのコード読み取りによる決済方法は、LINE Pay公式サイトによると下記のように記載されています。(引用:ラインペイ公式ブログ)

 

2.掲示されたコードを自分で読み取る時

STEP 1)
LINEを立ち上げて、画面右下の[ウォレット]タブをタップし、LINE ウォレットを開く。

STEP 2)
[コードリーダー]をタップ。

be1b39b6.jpg
STEP 3)
枠内に、掲示されたQR/バーコードが写るようにし、QR/バーコードを読み取る。

STEP 4)
表示された内容を確認し、お支払い完了!



 
 上記を見ても分かるように、QRコードには金額情報が埋め込まれておりユーザが金額を入力するという仕様とはなっていません。

 一方で、ヤフーの特許6271800号(以下800特許)の請求項の構成は、下記のようになっています。
※⇒は分かりやすいように一般的な書き方で表現

(A)読取部と受付部と通信部とを備える端末装置に、
 ⇒カメラを備えたスマホ
(B)前記読取部に、第1識別情報を読み取らせる処理と、
 ⇒カメラで店のQRコードを読み取る
(C)前記受付部に、ユーザからの商品の購入金額の設定操作を受け付けさせる処理と、
 ⇒スマホにユーザが購入金額を入力or候補から選択可能
(D)前記受付部に、前記商品の購入金額の決定操作を受け付けさせる処理と、
 ⇒購入金額の決定操作をユーザが実施
(E)前記通信部に、前記読取部に読み取らせた前記第1識別情報と前記受付部に受け付けさせた決定操作に応じた購入金額とを含む決済要求を他装置に送信させる処理と、を実行させるプログラム。
 ⇒QRコード情報と購入金額を通信してサーバに送信する

 請求項の構成とLINE Payの構成を比較すると、LINE Payには少なくとも構成(C)がないことがわかります。すなわち、800特許は購入金額をユーザが入力or選択するのに対し、LINE PayはQRコード自体に金額情報が埋め込まれているため購入金額をユーザが入力or選択することがありません。

 上記より、800特許の請求の範囲にはLINE Payの実施態様は包含されていません。意図的に800特許の技術を使用しないように開発しているのだと思います。IT業界の雄だけあって、さすがにしっかりと特許調査していると思われます。

 但し、QRコードを店先において置けばどのような金額であっても決済可能なPayPay(誤入力あるかも)と、QRコードに商品価格を付与しなくてはいけないため、商品毎にQRコードを設置する必要(誤入力の可能性はない)のあるLINE Pay。

 特許という障壁により、同じ仕様となることはないと思われますが今後の動向が楽しみです。

(※上記は全て個人的な見解です)


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