平成30年の弁理士試験もようやく全日程が終了しました。1年合格を目指し、1月から勉強を続けてきましたが、少しほっとしているところです。
 前回、口述試験の再現をブログに掲載させていただいたところ論文式試験の再現も見たいと要望をいただきました。私自身もブログ等で論文式試験の再現答案を参考にさせていただいておりました。予備校の完璧な答案ではない、身の丈にあった答案の合格レベルを知っていただける機会と思いますので、とても稚拙な論文ではありますが掲載させていただくことにします。
特実:108
意匠:57
商標:63

『特実
』結果:108点
【問題1】
1. 1(1)について
 (1) 出願Bは出願Aの出願日より、1年以上経過している。そのため、パリ4条C(1)の優先権期間を徒過している。そのため、原則としてパリ優先権の主張をすることができない。
 (2) しかし、X国は特許法条約に加盟している。そのため、特許法条約11条,12条の規定により、期間を徒過しても優先権主張をすることが可能な場合がある。
 (3) 特許法条約は、パリ19条に定める特別取り決めであり、出願人の救済について規定している。
[感想]
特許法条約の加盟により、国内法で優先権期間を経過しても優先権主張をできる点は43条の2で規定されていることは知っていました。しかし、特許法条約自体はノーマーク。配布された法文集で特許法条約の条文の見出しを確認し、それっぽい11条と12条を書くこととしました。また、趣旨など知らないのでパリの特別取り決めであることと、期間経過後の措置のため、出願人の救済と書いておきました。

2. 1(2)について
 (1) 出願Aは出願から1年6月経過していないため、未公開である(64条1項)。
 (2) いわゆる補償金請求権の請求のための警告をするためには、出願公開が必要である(64条の2第1項, 65条1項)。
 (3) しかしながら、出願Aは外国書面出願(36条の2第1項)のため、出願公開を請求するためには翻訳文の提出が必要である(64条の1第1項3号)。
 (4) そのため、外国語書面の翻訳文および要約の翻訳文を提出し、出願公開を請求する必要がある(64条の2第1項)。
 (5) 警告は、相手を特定し発明の内容を記載した書面を提示して実施する必要がある(65条1項)。新聞広告等で不特定多数に警告しても効果はない。
[感想]
 最初は外国語書面出願である点を見落としていましたが、公開が要件というところを書いたときにふと問題文が目に入り、一番最初に外国書書面と記載されているのに気が付きました。簡単すぎる問題こそ注意が必要。要約の翻訳文の提出は不要らしいので減点された可能性大。

3. 1(3)について
 (1) 出願Cは、出願Aに記載された発明ロについて分割出願されており、適法な分割出願であると考えられ特許要件は出願Aの日をもって判断される(44条2項)。しかしながら、29条の2の他の出願としては実際の出願日に出願されたものとみなされる
 (2) 出願Dは、出願Cの実際の出願Bよりも先願である。そのため、出願Dが出願Cに基づいて29条の2で拒絶されることはない。
[感想]
ここはやってしまった点。出願Aは未公開で査定が確定しているため、29条の2の先願の地位はない。当たり前すぎて、出願Aと出願Dの29条の2の関係について記載することを完全に忘れてしまいました。大きな減点があったと考えます。

4. 2について
 (1) 甲乙は設立時期から、職務発明規定を設けている場合は改正後の35条の規定を採用していると考えられる。
 (2) 35条の改正の趣旨は、発明者による特許を受ける権利の2重譲渡や共同発明時の権利譲渡の問題を解決するため、特許を受ける権利が発生した時から特許を受ける権利が使用者等に属するとしている。
 (3) 従業員Xと従業員Yが共同で完成させた発明イが職務発明の成立要件を満たしていれば、発明イは職務発明となる。職務発明の要件は、使用者等の業務範囲に属し、発明に至った行為が現在又は過去の職務範囲に属する発明であることが必要である(35条1項)。
 (4) 発明イは題意より甲乙の業務範囲に属する。また、勤務時間中に上司の命を受けて発明イを完成させていることから、現在の職務範囲に属する。よって、発明イは職務発明である。
 ①乙が職務発明規定を有する場合
  乙が職務発明規定を有する場合は、特許を受ける権利は原始的に甲・乙に帰属する。出願Aをするにあたっては甲乙の共同で出願する必要がある(38条)。
 ②乙が職務発明規定を有しない場合
  乙が職務発明規定を有しない場合は、特許を受ける権利は甲会社およびYに帰属する。乙会社が出願をするためには、Yの特許を受ける権利を取得する必要がある。乙がYから特許を受ける権利を取得するためには、甲とYの同意が必要である(33条3項)。
[感想]
職務発明の改正については、出そうな気がしていたので知っていることをなるべく書きたいと、かなりの量になってしまいました。仮定して論じる必要がないとされていること、勤務時間中に共同して研究していることからもっとシンプルに職務発明であると断定して書き始めてもよかった気がします。余計なこと書いているので、ここも高得点ではなかったかなという印象。

○全体を通して
書き始めると止まらなく、4ページ目の最後段近くまで書いてしまいました。もっとシンプルに書いた方が要点が見えやすいとは思います。勉強中盤までは項目に題目をつけて書いていこうかと思っていましたが紙のスペース的にも題目を考える時間ももったいないことから箇条書きスタイルに最終的に変更したのが良かったかもしれません。
また、最初にまさかの特許法条約が出て相当焦りました。運よく法文集でそれっぽいところを見つけられたため一応格好だけはついた形。ただ、点数的には合格点ギリギリのため特許法条約が書けていなかったらまずかったかもしれない。



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